本当は怖い!サイレントクレーマー3つの特徴とその対応策

クレーム対応

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サイレントクレーマーという言葉をご存知だろうか。サイレントクレーマーとは、面と向かってクレームをいうことはないが、商品やサービスに不満を抱えているような人たちのことをいう。

サイレントクレーマーを放っておくと、企業側に大きなダメージを与えることがある。そこで、この記事ではサイレントクレーマーの特徴と、その対応策について紹介する。

サイレントクレーマーが怖い理由

クレーム対応というのは誰にとっても嫌なことだ。延々と説教のようにされるのも嫌だし、怒鳴られるのだって怖い。けれど、そうしたクレームよりもっと怖いものがある。それが、サイレントクレーマーだ。

面と向かってクレームを言わない、ということは従業員からすれば、それは普通のお客さまと同じである。クレームを言われないのなら怖いはずがない。むしろ”良いお客さま”に感じるかもしれない。しかし、そうではない。

サイレントクレーマーは、提供した商品やサービスに不満を抱えている。したがって、そのお客さまは二度とその商品を買わないし、サービスを利用してくれない。つまり、リピーターになることはなく、顧客を一人失ってしまうことになる

しかし、それだけで「大きなダメージ」というのはちょっと大げさなような気もする。では、もしあなたがある商品やサービスに不満を抱いた時、それをひとりそっと心の中にしまっておくことができるだろうか。近くに友人がいれば「ちょっと聞いてよ!」と愚痴のひとつも言いたくなるかもしれない。

インターネットが発達した今なら、SNSなどで愚痴、不満をつぶやくことだってあるだろう。サイレントクレーマーを放っておくと、企業側のあずかり知らぬところで、その企業に対しての不満を広められてしまうことになるのだ

サイレントクレーマーの特徴と対応策

面と向かってクレームを言わない、ということは、不満の表明がないわけだから、手の施しようがないような気もする。しかし、サイレントクレーマーには、次にあげるようないくつかの特徴がある。これらの特徴があった場合、「これは普通のお客さまではない」と頭を切り替えることが必要である。

特徴1. 急にトーンが落ちる

お客さまがした質問に対し、従業員が回答した後によくみられる特徴だ。例えば「この商品は、〇〇という使い方もできますよね?」という質問に対し「できかねます」と答えたとしよう。そこで、お客さまが「あぁ、そうなんですか……。わかりました」のような反応をした時だ。

お客さまは上記の質問を「多分、できるだろう」とか「何かできる方法を教えてくれるだろう」という期待をもってしている。それを「できない」という一言で片づけられたことに不満を感じるのだ。

ここで「〇〇ができないなんておかしい!」とか言ってくれれば、不満を察知して、対応することもできる。しかし、上記のような反応であれば、従業員側も「はい、申し訳ございません」ということくらいしかできない。

対応策:できない理由を説明する

そもそもの話になるが、何か質問されて、たとえそれが対応できないことであっても一言で「できかねます」とか「できません」などと言ってはいけない。期待していたことをいきなり否定されたら、誰であっても不満を感じる

どうしてもお客さまの期待に沿えないのであれば、必ず理由付けをしてからお断りしよう

「〇〇という使い方については、故障の恐れがあるため、そのようにお使いいただくことはできかねます」

このように言われれば、納得感が全然違ってくるだろう。

特徴2. 相槌が多くなる、またはなくなる

従業員が何かしら長い説明をしている時によくみられる特徴だ。最近では、お客さまに対して重要事項や免責事項を伝えることが義務付けられているサービスというのがよくある。そうした説明をしている最中に「はいはいはい」と相槌が多くなったり、逆に相槌をまったくしなくなったりしたら要注意だ。

お客さまからすれば、聞いていてもよくわからないので、そんな説明を長々とされることに不満を感じる。だからといって、企業側は説明しないわけにもいかないので、厄介である。

対応策:機械的な言い方になっていないか確認しよう

説明が義務付けられている、ということは従業員は、毎回同じ説明をお客さまにする。毎回同じ説明をする、ということは、すでにそのセリフを覚えてしまっているという可能性が非常に高い。

覚えているセリフというのは機械的に話してしまいがちだ。お客さまの気持ちなど置いてきぼりにして、ただ、義務として説明するだけである。抑揚がなかったり、あっても同じパターンだったり、ひどい時は早口でまくしたて、質問をする隙を与えなかったりするような人もいる。

こうした言い方にならないように、たとえ毎日言い続けているセリフであったとしても、お客さまによってスピードや間を変え、”伝える”という目的をもって説明する

時々「今のお話しで気になるところなどございますでしょうか」などと質問をはさみ、会話のキャッチボールが成立するようにするとなお良い。

特徴3. 思ったよりあっさりと引き下がる

お客さまがした難しい質問や問い合わせに対し回答したときによくみられる特徴だ。対応が長引くかもしれない、場合によってはクレームになるかもしれない、と思っていたら、「ふぅん、わかった。もういいよ」とか「なるほどね、自分でも調べてみます」と随分あっさりと引き下がってしまった、なんてことがあると思う。

これらは一見、納得したような反応だが、そうではない。こうした反応のほとんどは「こいつに聞いても無駄だ」という気持ちが本心で、得たい回答をもらえることをあきらめ、不満に感じていることが多い。

従業員からすれば、恐る恐る回答したこともあって、あっさりと引き下がってくれたことにホっとするだろう。しかし、お客さまが真に解決したかったことや、不満は一切解消されていない

対応策:一人で頑張ろうとしない

この手の不満は、スキル不足の従業員が一人で頑張っている時によく起こる。実はよくわかっていないのに、うまく説明できないのに、自分でなんとかしなければと思う責任感の強い人がやりがちなことだ。しかし、お客さまからすれば、そんな説明は迷惑以外の何物でもない。

そのため、一人で頑張ろうとせず、上司に相談するなどして、しっかりとした回答を伝えられるようにする。ここでの相談というのは、質問に対する回答だけでなく、どういう言い方、言い回しがいいか、といったところまで相談することである。

もし、自分ひとりで対応が難しそうな時は「よろしければ、もう少し詳しいものから説明いたしましょうか」と対応者を交代する提案というのも一つの手だ。

お客さまをサイレントクレーマーにしないために

お客さまがサイレントクレーマーになるかどうかは、商品を購入した後、サービスを利用した後、問い合わせが終わった後に決まる。ということは、その行動前に、何らかの防止策を施すことも可能ではないだろうか。

商品購入前、サービス利用前にできること

商品もサービスもお客さまはそれらの利用と引き換えに、金銭という対価を支払っている。せっかくお金を出したのに、期待していたものと違えば、それが不満になる。その不満の表明がなければサイレントクレームである。

つまり、不満があった場合はクレームとして表明してくれるように誘導すれば、お客さまをサイレントクレーマーにすることはない。もし、接客対応で、商品・サービスを提供するのであればこのように言う。

「この商品について何かご不明な点や、気になることがあれば、いつでもお問合せくださいね」

こうすれば、万が一期待外れの商品・サービスであった場合でも「そういえば、ここに問い合わせろと言っていたな」と思い出し、クレーム化してくれる。

通販などネットショップでも理屈は同じだ。問い合わせフォームや連絡先などはきちんと明記しておき、いつでもお客さまが連絡できる状態にしておく。あえて問い合わせ先などをわかりにくくする企業もあるが、それだと逆効果である。

問い合わせが終わる前にできること

本記事で紹介したサイレントクレーマーの特徴はいずれも従業員に対する不満であった。商品やサービスなら前述のように「何かあれば」と言えるが、その対応者自身に不満がある場合、それはあまり通用しない。

もし、対応者自身が自分の説明、言い方でお客さまが不満に感じていると察した場合は、このように言うこともできる。

「お客さま、わたくしの説明でわかりづらい部分や、気になる点はございませんでしたでしょうか」

面と向かって、お客さまからは言いづらくても、このように聞かれれば「ひとつだけいいかな」とクレーム化してくれる。

まとめ

クレーム対応というと、どうしても表明されたものにしか目を向けない。しかし、本当に目を向けるべきなのは、”クレームを言わないお客さま”である

対面接客にしろ電話対応にしろ、お客さまとの接点がある限り、お客さまの不満を感じることは不可能ではない。とくに、商品やサービスそのものでなく、従業員側に不満がある場合は、相手の心を察する力が非常に重要になってくる。

お客さま対応をするときは「クレームがなくて良かった」ではなく、むしろ「クレームがなかったけど大丈夫だろうか」と気にするくらいの方が、この察する力というのは鍛えられる。僕も電話オペレーター時代は「次の電話はクレームだ」と思って対応していた。そうした方が緊張感を持って真剣にお客さまの声に耳を傾けようと構えることができたからだ。

クレームが好きな人はいない。誰だってクレーム対応はしたくないだろう。けれど、この世からクレームが消え、企業が知らないところで、企業の評価がどんどん落ちることの方がもっと怖いのだ。

現場の最前線にいる従業員のみなさんは、このことを少しでいいから心に留めておいてほしい。きっと明日からのクレーム対応の仕方が変わるはずだ。

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