マクドナルドのクレームは「KODO」では解決できない

アイキャッチ画像 クレーム対応

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どうも、引きこもりブロガーのK太郎(@kimkoza)です!

マクドナルドって他のファーストフード店と比べると不満を感じることが多くないですか?

マクドナルドに対するクレームの入れ方として、マクドナルドの公式アプリ「KODO」を使う方法があります。

ただ、残念ながらKODOを使ってクレームをしても、不満を解消させるという根本的な解決は期待できません。

この記事では、マックの公式アプリ「KODO」の何が問題なのか、僕なりの考えを述べています。

マクドナルドの公式アプリ「KODO」とは

KODOとは、マクドナルドの店舗を利用した際のクレームや意見要望をアンケート送信できるアプリです。

KODOのアイコン

アンケートを送信すると、お礼として翌日から使用できるクーポン(フライドポテトS、ソフトドリンクS、ソフトクリームと交換できる)がもらえます。

KODOを活用したマクドナルドの業績回復

マクドナルドといえば、2014年に発生したチキンナゲットの鶏肉消費期限切れ事件や2015年の異物混入問題で業績がひどく低迷したことが記憶に新しいですよね。しかし、2016年以降は奇跡のV字回復で、2017年は過去最高益を更新しています。

この業績回復に一役買ったのがアンケートアプリの「KODO」だといいます。

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こちらの記事では今では当たり前になっている商品受け取り専用カウンターも、お客さまの声から生まれたものと書いてありました。

確かに、業績回復のヒントとなる声を吸い上げるのにKODOは役立ったのかもしれません。

しかし、実際にKODOを使ってみると、クレームや意見要望を聞いて改善しようという気がマクドナルドにあるようには到底思えないのです。

KODOがクレームの解決にならない6つの理由

マクドナルドに対するクレームがKODOで解決できないと思う理由は6つあります。

1店舗につき1カ月に1回しか回答できない

KODOはクーポンを過剰提供しないための策として、アンケートの回答を1日1回しかできないようにしています。さらに、同一の店舗については1カ月に1回しか回答できないようになっています。

月1メッセージ

同一店舗では月1回しか回答できない

例えばマクドナルドのA駅前店に月3~4回通っていて、そのうち2回ほどクレームしたいことがあったとしましょう。この場合、1回目のアンケートに答えてしまうとその月はもうアンケートに回答することができなくなってしまうのです。

1日1回という制限は”クーポンの過剰提供防止”を考えればまあ納得できます。しかし、同一店舗は1カ月に1回のみという制限は、「お客さまの声に耳を傾ける」というアンケートアプリの本質を揺るがすものです。

レビュー画面

アプリのレビューにもこの問題を指摘する声がある

同一店舗を何度も利用するお客さまは、その店舗のファンであり、また店舗の変化に気づきやすいといえますよね。月1回という制限がなければ、以前よりサービスの質が落ちた、いや、上がった、というように、その店舗専属のミステリーショッパーのような役割を果たしてもらうことだって出来るはずです。

それを、クーポンの過剰提供を恐れるがために、こうしたファンの貴重な声を逃してしまっていることは非常にもったいないことです。これではアンケートアプリという本来の目的を達成することができるのか甚だ疑問です。

店舗へ行かなくても回答できてしまう

KODOは、GPS機能を使って近くの店舗を探し出し、そこに表示された店舗を選択してアンケートに回答します。

店舗内にあるQRコードを読み取ったり、IDなどを入れたりする煩わしさがないのはいいですが、これでは実際に店舗を利用していなくてもアンケートに回答することができてしまいます。

店舗一覧

自宅近くにあるマクドナルドがすべて表示される

GPSは、かなり広範囲の店舗まで選択できるようになっているため、例えば我が家からだと2駅ほど離れた店舗まで回答することができます。そうすると、クーポン目当てで店舗へ行かず回答する人というのも少なからずいるのではないでしょうか。

アンケートに回答するハードルを下げた点は素晴らしいですが、実際利用していない店舗のアンケートに回答できるというのは、アンケートアプリとしてかなり問題があるといえます。

クーポンの取得が目的になっている

KODOはサービス開始から600万件ものお客さまの声を集め、現場改善に役立てているといいます。KODOの総ダウンロード数がわからないので何とも言えないですが、決して低い回収率ではなさそうです。

600万件という数字には圧倒されますが、ここにクーポンという”ご褒美”目当てに回答している人が含まれていることを見逃してはいけません。むしろ純粋に「アンケートに回答したい!」と考えている人の方が少ないのではないでしょうか。

そう考えるとKODOユーザーの多くは「アンケートに回答すること」ではなく「クーポンを取得すること」が目的になっているといえます。クーポンを取得するために、アンケートはいい加減に、ということもあり得るでしょう。

KODOは、「非常に満足」以外の選択肢を選ぶと、新たな選択肢が表示されたり、時にフリーコメントを求められたりします。

選択肢の画面

「非常に満足」を選ばないと回答時間が長くなってしまう

これはクーポン取得を目的としている人からすればかなり面倒な作業です。そうすると「面倒だから”非常に満足”を選んでおこう」という心理が働いてもおかしくありません。

クーポン取得というご褒美は、アンケートの回収率を上げるためには有効です。しかし、それを目的にする人が多いと、実際のお客さまの声とはかけ離れた回答がされることになるのです。

クーポンは回答した店舗でしか使えない

KODOでアンケートの回答をすると、翌日以降フライドポテトSやソフトクリームなどに交換できるクーポンがプレゼントされます。

このクーポンは、利用した店舗でのみ使うことができ、他の店舗では利用できません。僕はここに大きな問題があると思っています。

クーポン画面

回答した店舗でしかクーポンは利用できない

回答した店舗の評価が良いものならいいですが、二度とその店舗を利用したくないという悪い評価だったらどうでしょうか。二度と利用したくないと言っているのに、その店舗でしか利用できないクーポンを配布するというのはかなり人をバカにしています。

食品業界のクレーム対応では、お客さまにお渡しするお詫びの品を自社商品以外のものにすることが常識です。これは、自社商品に対するクレームがあったのに、再度自社商品をお詫びとして渡すことが大変失礼にあたること、また、再度渡した自社商品に改めてクレームをつけられないようにするためです。

KODOのクーポン利用制限は、これらの常識とは真逆をいっており、アンケートに回答することでさらなる怒りを買うことになりかねません。

お客さま相談室の返信が定型文

KODOでは、一方的にアンケートに回答するだけでなく、送信した回答についてお客さまサービス室か店舗からの回答を求めることができるようになっています。

僕は実際に「クーポンは回答した店舗でしか使えない」件について、KODOを通してクレームをしたことがあります。アンケートという形で一方通行で終わらせず、きちんと問い合わせとして送信できることは、とても素晴らしいことだと思います。

しかし、問い合わせに対してされた回答はあまりにも酷いものでした。下図は、KODOを通して僕が送ったクレームと、それに対するマクドナルドお客さまサービス室の回答です。

お客さまサービス室回答

マクドナルドお客さまサービス室の回答は、どうみても、どの意見に対しても使える定型文としか思えない内容です。ちなみに、このクレームをしてから2年が経っていますが、いまだにこの点は改善されていません。

これなら、いっそのこと問い合わせの機能を廃止して、アンケート送信後に一律でこの定型文を表示させればいいと思います。

そもそもKODOのコンセプトがいい加減過ぎる

ここまでKODOをアンケートアプリとして評価し問題点を指摘してきましたが、実をいうと当のマクドナルドは、KODOを「アンケートアプリ」とは位置付けていないようです。

2015年のニュースリリース時に、KODOのリリースに尽力した方のコメントに次のようなものがあります。

KODOを「苦情受付アプリ」と捉えている方もいるようです。KODOはそのような機能だけではもちろんありませんが、「間違い」ではないと思います。なぜならアプリの使い方はお客様がお決めになるからです。KODOが「マクドナルド頑張れ!アプリ」でも「100円マックがほしいアプリ」でもいいのです。KODOというツールが、結果としてお客様が店舗にご自身の意見を伝えられることが大切であり、お客様と店舗がつながるきっかけとなることが大事なのですから。

入り口がどうであれ、結果的にお客さまの声が店舗ないしマクドナルド本体に届くという目的が達成されれば、それでいいという気持ちはわかります。

また、KODOを「クーポンが欲しい人からついでに意見を収集するツール」くらいの位置づけで考えているのならそれでも構いません。

しかし、顧客満足を得るためのVOC(Voice of Customer)システムとして本気で考えているのなら、かなり問題です。VOCシステムは日々ブラッシュアップさせ、精度を高めるべきものですが、KODOはリリースから3年が経過しても、前述した諸問題が一切改善されていません。

コンセプトが曖昧であるがゆえ、アプリのレビューも「クーポンの有効期限が2週間しかない」というKODOをクーポン取得アプリと考えたクレームと、「同一店舗で月1回しか回答できないのはおかしい」というアンケートアプリと考えたクレームに二分しています。

そして、「クーポン取得アプリ」としても「アンケートアプリ」としても中途半端であるため、アプリの評価は2点台と低くなっています。

このように、そもそもKODOというアプリがどのようなアプリなのか、何を目的として、どこを目指しているのか、コンセプトが定まっていないことが一番の問題なのです。

まとめ

KODOは一定のサイレントクレーマーを表面化させたり、新しいアイデアをピックアップさせたりするのには役立っているのかもしれません。

本当は怖い!サイレントクレーマー3つの特徴とその対応策
この記事ではサイレントクレーマーの特徴と、その対応策について紹介している。サイレントクレーマーとは、面と向かってクレームをいうことはないが、商品やサービスに不満を抱えているような人たちのことをいう。サイレントクレーマーを放っておくと、企業側に大きなダメージを与えることがある。

しかし、不満の解消を目的とするクレームの受け皿としては何の役にも立っていないように思います。本気でクレームを受け止め、改善に努めようという姿勢は、とてもじゃないけどKODOからは見えてきません。

マクドナルドには業績回復を遂げた今だからこそ、もっと真剣にお客さまの声に耳を傾ける工夫をしてほしいと思っています。

というわけで、今回はマクドナルドのクレームはKODOで解決できないと思う僕の考えを紹介しました。では!

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