学校の熱中症対策に疑問を抱いたのでモンペ覚悟でクレーム入れてみた

アイキャッチ画像 クレーム対応

この記事は約 10 分で読めます。

どうも、引きこもりブロガーのK太郎(@kimkoza)です!

7月に入り熱中症に関する事故のニュースをよく耳にします。

2018年7月16日には校外学習で「疲れた」と口にした小学1年生の児童が熱中症で亡くなるという悲しい事故がありました。

小1男児が熱中症で死亡 校外学習中に「疲れた」訴え:朝日新聞デジタル
 17日正午前、愛知県豊田市梅坪(うめつぼ)町の市立梅坪小学校(児童数730人)の教室で、校外学習先から戻った1年の男子児童(6)の意識がなくなり、倒れたと学校から119番通報があった。児童は救急搬送…

こういうニュースをみると自分の子供の学校は大丈夫か、心配になりますよね。

僕の子供が通う小学校は夏場になると水筒の持参が許されるのですが、他にどういう熱中症対策をしているのか気になったため子供に確認してみることにしました。

すると、「授業中の水分補給禁止」「水かお茶のみでスポーツドリンク禁止」という独自のルールが存在していることがわかりました。

僕は熱中症は室内でも起こりうること、塩分補給もしないと脱水になることはみな当たり前に知っていることだと思っていたので正直そういうルールがあることに驚きを隠せませんでした。

この記事では、学校の熱中症対策に疑問を感じた僕が、モンスターペアレンツと言われることを覚悟で学校にクレームし、独自ルールを変えさせた経緯を語っています。

学校の熱中症対策は十分なのか

けだるい少女

冒頭述べたように子供が通う小学校では「授業中の水分補給禁止」「水かお茶のみでスポーツドリンク禁止」というルールがあります。

学校側としてはこうした制限をしても熱中症の対策として十分と考えているのでしょう。しかし娘のクラスでは1日前にも熱中症で2人が早退しているという話を聞きました。

息子も娘も小学校から帰ってくると汗ビッショリでたまに具合が悪そうにしていたり頭が痛いと訴えてきたりすることがあります。

それなのに、水筒の中身が残っていることも多く「あまり飲む機会がないのかなぁ」と心配していました。

そのタイミングで上記ルールが存在することを知ったため、少なからず授業中の水分補給禁止というルールが子供たちの水分補給の機会を失わせているのではないか、と思いました。

熱中症対策の問題点

30℃以上の高温

「授業中の水分補給禁止」「水かお茶のみでスポーツドリンク禁止」というルールについて、僕は大きな問題があると認識しています。

熱中症のうち屋内を発生場所とする救急搬送は◯◯%

担架

まず「授業中の水分補給禁止」について何が問題なのか述べたいと思います。

小学校の授業時間は1コマ45分です。

この時間、一切水分を口にすることができないというのは、体が十分発達していない子どもたちにとって、かなり酷なことではないでしょうか。

そして実は熱中症は屋外にいるときより、屋内にいる方が発症リスクが高いといわれています。

消防庁が公開している平成29年7月の熱中症による救急搬送状況データによると、住居、教育機関、公衆(屋内)で搬送された割合は全体の55%にも上ります。

炎天下でもないのにどうして熱中症になるのかというと、エアコン設備がなかったり、湿度が高かったりすることが原因としてあげられます。

子供が通う小学校の教室はエアコンが付いているのですが、一部教室のエアコンが故障中のままなど、とても環境面が整っているとはいえません。

また、僕が6月に授業参観に行った時、エアコンはついていたのですが、教室内はムワっと熱気がすごく、とても暑かったのを覚えています。

こうした環境の中で、45分間も水分補給ができないのは、熱中症になるリスクを高めることになるのではないでしょうか。

塩分補給をしなければ脱水症になる

肉体

続いて持参する水筒の中身は「水かお茶のみでスポーツドリンク禁止」についてです。

テレビCMなどでやっているのでご存知の方も多いと思いますが、熱中症対策では水分+塩分補給が基本です。

大量に汗をかくと水分だけでなく、汗に含まれるナトリウム(塩分)も失われます。

それなのに水分だけ補給すると血中の塩分濃度が薄まり「余計な水分が入った!」と体が判断して、尿として体の外に排出されてしまいます。

必要な水分が排出されてしまうわけですから、水分補給をしているにもかかわらず脱水してしまう、というちょっとおかしな状態になります。

これを自発的脱水症と呼ぶらしいのですが、脱水症になると今度は熱中症を誘発することになります。

そうすると学校の熱中症対策である「水かお茶のみ」というのは、脱水症を引き起こし、熱中症になるリスクを高めているといえますよね。

スポーツドリンクには塩分が含まれていますから、ポカリスエットやOS1などを持参していいのであればそれで解決できると思うのですが、なぜこうしたルールになっているのか本当に謎です。

問題のある熱中症対策について担任の回答は?

はてな

なぜこうした問題のある熱中症対策をしているのか。

僕は疑問を感じずにはいられなかったため、子供たちを学校に送り出した後、すぐに担任の先生に電話をして確認することにしました。

何か合理的な理由があればいいのですが、そうでないのなら授業中も水分補給を禁止にせず、またスポーツドリンクの持参もOKにしてもらおうと思いました。

授業中禁止は基本原則

飲食禁止

授業中の禁止について、明確な理由までは聞き出せなかったのですが、あくまで「原則禁止」であって気分が悪そうな子がいた場合は飲んでよし、とするなど柔軟な対応をしているとのことでした。

ところで熱中症における水分補給は「喉が渇いてからでは遅い」と言われているのをご存知でしょうか。

「喉が渇いた」というのは脳が脱水のシグナルを出しているためで、喉が渇いた時点で、すでに脱水が始まっているのです。

ですから水分補給は「喉が渇いてから」ではなく「喉が渇いていなくても」こまめにする必要があります。

ましてや気分が悪いというのは相当症状が進んでいるものと思われますよね……。

そんな状態になってから水分補給ができたとしても時すでに遅しではないでしょうか。

学校のこうした対応は、とてもじゃないですが”柔軟”と呼ぶことはできません。

教師が生徒の様子をチェック

監視する人

「気分が悪くなってからでは遅いのでは?」という質問をしたところ、「授業中は教師が生徒を観察しているため、何かあってもすぐに対応できる」という返答でした。

確かに、その先生はかなり細かく子供に目を配ってくださり、うちの娘もその先生のおかげで勉強に対する意欲が高くなったものです。

そのように日ごろから生徒のことをきちんと見て、細かな変化にも気づくことができる先生ならいいのですが、果たして学校にいる先生全員が同じクオリティで生徒をチェックできているのでしょうか。

とくに新任の先生などは授業をすることに集中していることも多いので、30人近くいる生徒のひとりひとりの様子を細かく観察するということは難しいような気がします。

休憩時間には水分補給するよう声掛け

呼びかけ

授業中に水分補給できないことが不満という様子を察したのか先生は「授業中飲めない分、休み時間には積極的に水分補給を呼び掛けている」ということを言っていました。

それはありがたいとことではあるのですが、そもそも授業と授業の間にある休み時間は5分程度なので、トイレに行く子もいれば、友達と話すのに夢中になってしまう子もいます。

いずれの場合も「水分をとる」ということに意識がいく子はあまりいないような気がします。

僕の子供が辛そうな割に水筒の中身を残して帰ってくる、というのはまさにそういうことなのだと思います。

授業中は禁止で、休み時間にも水分補給をしなかったら、午前中の1~4時限目まで一切水分補給をしないということになります。これはゾッとしますよね。

スポーツドリンクは菌の繁殖リスクが高い

細菌

なぜスポーツドリンクが禁止になっているのかについても聞きました。

先生いわく「スポーツドリンクには糖分が含まれているので、そこから菌が繁殖して腹痛などの原因になるから」ということでした。

納得できるような回答ではありますが、そもそも水であってもお茶であっても菌が繁殖しない、という保証はどこにもありません。

水筒の洗い方が雑であれば中身に何を入れていようと菌は繁殖しますし、そもそもの話、そうした腹痛と熱中症になるリスクはどちらが高いか、ということを度外視しています。

我が家では息子も娘もスポーツをやっているので、朝水筒に入れたスポーツドリンクを夜になっても飲むことがあるのですが、それが原因で腹痛を起こした、ということは一度もありません。

反対に、さきほど述べた通り学校から帰ってくるなり怠そうにしていたり頭痛を起こしたりしたことの方がよっぽど多いです。

菌の繁殖リスクも確かに怖いですが、それよりも必要な塩分を取らせないことによる熱中症になるリスクの方が怖いと思うのは僕だけでしょうか。

担任が回答した熱中症対策は学校の見解なのか

公式な見解

担任の先生には日ごろからお世話になっていることや、授業の開始が近いこともあって、それ以上は突っ込んで聞くことはできませんでした。

しかし子供のことを考えれば、このまま引き下がることはできません。そこで、改めて学校に電話をして今度は副校長先生と話をしました。

正直、担任の先生の回答は、もしかしたら個人的な見解なども含まれているのでは? と疑っているところもありました(スポーツドリンクの菌繁殖など)。

そのため、先生の回答内容などこれまでの経緯をすべて説明したのですが、副校長も「担任が言ったことがすべて。熱中症対策におけるルールは学校としての見解で間違いない」とのことでした。

授業中の水分補給、塩分補給をするためスポーツドリンク持参の必要性を訴えましたが「貴重なご意見として検討します」と、まるでクレーム対応をするかのごとく取り合ってくれませんでした。

ここで、コールセンターで数々のクレーム対応をしてきた僕のハートに火がつくことになりました(笑)。

文部科学省の熱中症事故の防止依頼

文部科学省入り口

”学校の見解”と自信をもっていうくらいなのだから、熱中症対策としての「授業中の水分補給禁止」「水かお茶のみでスポーツドリンク禁止」には明確な根拠がなければおかしいですよね。

熱中症対策については政府も普及啓発を行っているので、おそらく学校側が講ずべきガイドラインみたいなものが存在するはずです。

そこで監督省庁である文部科学省のホームページを検索したところ、「熱中症事故の防止について(依頼)」という教育機関向けの依頼文書を発見しました。

熱中症事故の防止について(依頼):文部科学省

こちらの文書を読んだところ、屋内での授業中においても適切な措置を講ずること、水分補給だけでなく塩分の補給もすることで熱中症事故を防げること、が明記されていました。

学校の管理下における熱中症事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動によるものですが、運動部活動以外の部活動や、屋内での授業中においても発生しており、……(略)……、教育課程内外を問わずこの時期から熱中症事故の防止のための適切な措置を講ずるようお願いします。

 

熱中症は、活動前に適切な水分補給を行うとともに、必要に応じて水分や塩分の補給ができる環境を整え、活動中や終了後にも適宜補給を行うこと等の適切な措置を講ずれば十分防ぐことが可能です。

出典:文部科学省 熱中症事故の防止について(依頼)

文書をみるかぎり、学校側が主張する見解と相反することがわかります。

依頼文書に法的拘束力はありませんが、少なくとも危険を防止してほしいという観点で依頼されているものですから、それを無視して独自の対策を講ずる学校側の対応は到底理解できるものではありません。

スポーツドリンクは菌が繁殖しやすい?

研究所

学校が主張する「スポーツドリンクには糖分が含まれているので、そこから菌が繁殖して腹痛などの原因になる」は本当なのか。

菌の繁殖リスクについて調べたところ、フジテレビの関連会社エフシージー総合研究所というところが、それに近いデータを公開していました。

スポーツドリンクの細菌数は24時間後に……。

水筒ではないですが、ペットボトルのスポーツドリンクが、時間の経過とともにどれくらい細菌が増えるのかを調べた結果がこちらです。

 

エフシージーのデータ1

出典:(11) ペットボトル飲料は4〜5時間を目安に飲みきる!

ペットボトルからコップに移して飲んだ場合は24時間後でも細菌数はゼロですが、ペットボトルから直接飲んだ場合、24時間後、細菌数が2,500になっていることがわかります。

このデータをみるかぎり、あながち学校側が主張していることも嘘ではないことがわかります。

そして、こちらがペットボトルの麦茶が時間の経過とともにどれくらい細菌が増えるかを表したグラフです。

 

エフシージーのデータ2

 

ちょっとまて。

 

麦茶の方が、圧倒的に細菌の繁殖数が上じゃねーか!

どうやら麦茶は保存料が無添加という条件であるため、このような結果になるようですが、この結果からも明らかなように「スポーツドリンクの方が細菌繁殖リスクが高い」ということはできないのです。

いやいや、どうなってんの、これ。

ポカリスエットの大塚製薬の回答

ポカリを持つ女子高生

エフシージー総合研究所のデータは信頼に足るものですが、念のためスポーツドリンクのパイオニア、ポカリスエットの大塚製薬にも問い合わせてみました。

まず大塚製薬では菌の繁殖率をデータ化したものはなく、お茶類を販売していないためポカリスエットと比較することもできない、ということを言われました。

続いて、ポカリスエットは糖分を含んでおり、細菌は糖分をエサとして繁殖するため、口を付けたペットボトルであれば確かに細菌の繁殖リスクはある、と教えてくれました。

ただし、結局給食などで食べ物のカスなどが入れば同じように繁殖リスクは高まるため、「スポーツドリンクだから危険」と一概には言えないという話でした。

大塚製薬の担当者さま、こんな問い合わせにやさしく回答してくださって本当にありがとうございます。好きです、ポカリスエット。

いわゆる教育委員会に訴えてみた

声をあげよう

文部科学省の依頼文書、菌の繁殖データ、これだけの材料が集まればもう十分でしょう。

ここからは完全なモンペ(モンスターペアレンツ)になることを覚悟でいわゆる教育委員会に訴える、をやってみました。

実は、その前に文部科学省の担当窓口にも直接問い合わせをしてみたのですが、担当職員いわく「文科省の依頼文書はあくまでもお願いに過ぎないので学校を直接指導する立場の教育委員会に言った方が効果がある」と教えてくれました。

正直、学校側に問い合わせた時と同じように「貴重なご意見として」とか言われたらどうしよう、と少し心配しましたが、結果はその逆。

教育委員会の担当者は、大変親身に僕の話を聞いてくれて「K太郎さんの言っていることは何も間違っていない。学校側に指導して、しかるべき対処をさせる」と言ってくれました。

校長からの謝罪と今後について

謝罪

教育委員会に訴えてから数時間後、校長から直接連絡がありました。

さきほどの副校長の対応とは違い、「本当に心配をかけて申し訳ない」「学校側の意識を変える必要がある」など、大変丁寧に謝罪してもらいました。

教育委員会パワーしゅごい(笑)。

もちろん、謝罪してほしいわけでなく、子供の安全のために適切な措置を講じてほしいわけですが、その電話の中で次のことを約束してくれました。

① 授業中の水分補給は「原則禁止」をやめて、体調に関係なく、先生に声をかければ飲んでいいことにする

② スポーツドリンクは持参した時に担任にあらかじめ報告しておけば、各家庭の判断に任せることにする

声がけや報告など、必要ないんじゃないか、と思う部分もありますが、まあ届出が大好きな公務員らしい発想だな、と思いました。

まとめ

翌日、息子と娘に学校でこの件について何か話があったか聞いたところ「授業中、禁止じゃなくなった」「先生に言えば飲んでもいいことになった」と言われたことを教えてくれました。

また、さっそく娘の水筒にはスポーツドリンクを入れて持参させ、きちんと先生に報告させました。

これまで数々のクレーム対応をして、また自分自身が企業にクレームを言うことはありましたが、学校とやりあったのはこれが初めてです。

今回は教育委員会に訴えるという手段に出ましたが、これはあくまでも最終手段、伝家の宝刀として使うべきものです。

SNSなどをみると同じようなことで悩んでいる親御さんを多く見かけますが、やはり最初は学校側ときちんと話し合って、それで解決できるのならそれに越したことはないと思います。

というわけで、今回は学校の熱中症対策についてモンペ覚悟でクレームしたお話を紹介しました。では!

コメント