木村
木村

どうも! 教え方コンサルタント、話し方コーチの木村(@kei_kimkoza)です。

会話が続かなくて困ったことはありませんか?

「どうしても話が広がらない。」「おもしろい話題が提供できず黙ってしまう。」会話が途切れた時の沈黙の空気は、何ともいえないですよね。

会話が続かないのは自分の話し方に問題があると思っている人が多くいるようですが、実はそうではありません。

そこでこの記事では、

・会話が続かない原因
・会話をするときのNG
・会話を続けるためのテクニック
について解説します。

会話が途切れず続けられるようになれば、苦手意識もなくなり会話を楽しむことができます。ぜひ、最後まで読んでみてくださいね!

会話が続かない人の3つの特徴

会話が続かないのは、話し方が下手だとか、ボキャブラリーが足りないからだと思っていないでしょうか。実はそういったことよりも、もっと基本的なところに原因があるのです。

以下に会話が続かない人の特徴を3つ挙げてみました。これらが、なぜ会話が続かない原因なのか、解説していきたいと思います。

話すことばかりに集中している

会話は自分が話すだけでなく、相手の話を聞くという行為もなければ成立しません。会話が続かない人は、話すことばかりを重視して聞くことをおろそかにします。

もちろん、本人としては聞くことをおろそかにするつもりはないはずです。しかし、「会話が途切れてしまっては大変だ。」という恐怖心から、話すことばかりに集中してしまうのです。

話すことばかりに集中してしまうと、「この人、自分の話ばっかりだな。」「私も言いたいことがあるんだけどな。」と相手に思われてしまい、やがて会話を続けようという気がなくなってしまいます。

おもしろい話にこだわっている

テレビなどで活躍するお笑い芸人さんのようにおもしろい話ができたら素敵ですよね。人を引き込み、驚かせ、最後に笑わせる。これができたら会話も楽しく続けられるだろうと思います。

しかし、おもしろい話にこだわり過ぎてしまうと、会話をすることではなく、おもしろい話をすることが目的になってしまいます。

例えば、「つまらない話をするくらいなら黙っておこう。」と会話を続けるきっかけを失ってしまうかもしれません。また、相手の話に対しても、おもしろさを求めてしまい「で、オチは?」などと盛り下がることを言ってしまう場合があります。

当然そのような状態で楽しく会話できるはずがありません。自分だけでなく、相手も会話を続けようちう気が失せてしまうでしょう。

相手の気持ちを無視している

自分は話すことに積極的なのに会話が続かないということは、相手にあなたと会話を続けたくない理由があるのかもしれません。そんな時は5Sのタブーを話題にしていないか、確認してみてください。

研修生A子
研修生A子

5Sのタブー?

木村
木村

元々は宗教、政治、スポーツの頭文字をとって3Sと言われていたんだけど、それに差別、性を加えて僕が名付けたものだよ。

研修生A子
研修生A子

なるほどねー。確かに5Sはセンシティブな話題よね。人によっては触れられたくない部分だと思う。

宗教や政治は、思想に関ることなので、他人に踏み入れられたくないと考える人がいます。また、人を差別するような発言や、セクハラまがいの下ネタなどは相手を不快にさせるだけです。

一見話題にしやすいスポーツも、ひいきにしているチームや選手のことを批判させるのが嫌だという人もいます。5Sのタブーのように相手の気持ちを無視した話をする人と会話を続けようという気は起こりません。

会話を続けるための具体的なテクニック

ここからは、実際に僕が人と会話する時に使っているテクニックを紹介したいと思います。

自分と相手の違いを話題にする

会話術の本などを読んでいると、話題(ネタ)をストックしておくことや、一般的に誰でも話しやすい話題(天気、テレビ、仕事、旅行など)で話すことが重要と書いてあります。

もちろん、話題を豊富に持っていれば会話が途切れることはありませんし、一般的な話題であれば、相手も会話を拒むということは考えにくいでしょう。

しかし、いくら話題がたくさんあっても、それを会話の時に引き出せなければ意味がありません。事前に話題を仕入れておいたけど、いざという時、頭が真っ白になってしまったという人も多いのではないでしょうか。

そこで、おすすめしたいのが自分と相手の違いを話題にするというやり方です。普通は自分が興味のない話や共通点がない話題は話が広がらないと避けてしまいがちです。これをあえて積極的に話題にすることで、話を続けることができます。

相手「私、休みの日はよく登山に出かけるんですよ。」
自分「(興味ないなぁ)へぇー、登山ですか……。」
相手「私、休みの日はよく登山に出かけるんですよ。」
自分「登山ですか。僕は経験ないのですが、どういうところがおもしろいですか?

相手と違う部分を話題にするといっても、無理に話を合わせる必要はありません。興味を持って聞けば、「何が楽しいのか。」「なぜそれをやろうと思ったのか。」などの質問が浮かび会話が弾みます。

また、質問に対し「登山は頂上に到達した時の達成感が格別なんです。」という返答があれば、「僕はジグソーパズルが趣味なのですが、完成させた時の喜びといったら何ともいえません。お互い達成感を味わえることが好きなんですね。」といった具合に共通点が見つかることもあります。

自分と相手の違いを話題にすることは新しい発見につながります。また、基本的に聞き役に回れるので、頭が真っ白になるということはなくなります。

行動→感情→理由の順番で深堀する

相手に興味をもって質問しても、返答が一言で終わってしまい会話が続かないということがあります。これは相手に問題があるというわけではなく、質問の仕方に問題がある場合がほとんどです。

自分「昨日の夜にテレビでやってたクイズ番組見ましたか?」
相手「いや、出かけていたのでみていないですね。」
自分「そうですか……。」

YESかNOでしか答えることができない質問、いわゆるクローズド・クエスチョンの場合、相手は「そうですね。」「いや、違います。」と2パターンの返答しかできず、話が続かなくなります。

そのため、まずは相手が自由に回答できる質問、いわゆるオープン・クエスチョンを使います。ただし、「最近どうですか?」のように大雑把な質問だと、相手もどう答えていいか迷ってしまいます。

そこで、「何をしたか。」「どこへ行ったか。」など相手の行動に限定して質問するようにします。次にその回答に対しての感情を確認し、最後に理由を聞きます。この、行動→感情→理由の流れで質問すると、会話が途切れにくくなります。

自分「昨日の夜はどこへ行っていたんですか?」(行動)
相手「昨日は友人と〇〇という映画を観に行ってました。」
自分「〇〇といえばホラーですよね。怖かったですか?」(感情)
相手「結構、怖かったですよ。」
自分「どういうところが怖かったですか?」(理由)
相手「主人公が襲われるシーンがあるんですけど、急に音楽がバーンって鳴って、それが怖かったですね。」

この順番であれば、「僕も大きな音が苦手で……。」と自分の話に切り替えたり、「他にどんなホラー映画を観るんですか?」と聞いたりして、再び行動→感情→理由にあてはめて会話を続けることもできます。

アップとルーズで話す

映像制作に関連する専門用語に、アップとルーズという言葉があります。アップは日常にも使われる被写体を拡大して映すという意味で、ルーズはそれよりも広い範囲を映すという意味です。

例えば、スポーツなどで選手の表情を見たい時はアップが使われます。アップは表情など細かい部分を映すことはできますが、それだけだと他の選手の様子などはわかりません。そこで、他の選手や会場の様子を見たい時はルーズを使います。反対にルーズは引きで全体を映すため、細かい部分まではわかりません。

テレビ番組を見ると、アップとルーズを上手に使い分けて、状況を伝えようとしていることがよくわかります。実は、アップとルーズは会話にも応用することができる技術です。

さきほどの例でいうと、ホラー映画の話題で会話を続けると、いずれ話は尽きてしまいます。これは、会話がホラー映画という絞られた範囲だけになっているアップの状態です。

そこで、今度はホラー映画という範囲を映画という範囲まで広げます。これがルーズの状態です。そうすれば、「ホラー映画以外の映画」にまで話題を伸ばすことができ、新たな会話のネタが開拓できます。

映画という範囲をエンターテイメントという範囲までルーズし、エンターテイメントから音楽、音楽からコンサートとアップさせることも可能です。このようにアップとルーズを上手に使うことで、会話を続けることができます。

話を切り替える勇気を持つ

相手の得意な話題であっても、永遠に話が尽きないということはありません。話すことがなくなれば、相手も無言になり沈黙が訪れます。そうなった時は話を切り替えることも必要です。

とはいえ、急に別の話をすると、どうしても唐突感が出てしまいます。また、ここまで相手の話題で盛り上がっていたので、なんだか悪い気がしてしまうかもしれません。

そこで、突然別の話に切り替えるのではなく、ここまでの話題を借りて別の話に切り替えるという方法を使います。

例えば、読書の話題で盛り上がっていたけれど、そろそろ話すことがなくなりそうだという場合。「読書といえばカフェ」というように関連する話題がないか考えます。

すると「ところで私は読書するためによくカフェに行くんですけど、そこのコーヒーが美味しくて……。」と読書からカフェの話へ自然に話を切り替えることができます。

会話が止まってしまいそうな時は、直前の話題から連想ゲームのようにして「〇〇といえば」と話を切り替えていけば、長く会話を続けることができます。

相手が望めば愚痴でもOK

コミュニケーションに関する本では、愚痴をいう人は嫌われるというようなことがよく書かれています。愚痴は相手を疲れさせ、また悪口に発展するというのがその理屈です。しかし、愚痴というのは実は共通点が見つかりやすい話題でもあります。

例えば会社の上司について「任せるといいながら、後になってああでもない、こうでもないと指摘される。」という愚痴は誰でも共感できる話だと思います。愚痴でも「あー、あるある。」ということであれば、相手も嫌な気分にならず、むしろ会話は盛り上がります。

お互いネガティブな感情にならないのなら、愚痴を話題にするのもいいでしょう。ただし、自分から積極的に愚痴るのはやはり望ましくありません。あくまでも相手の愚痴に乗っかるという形の方がいいでしょう。

まとめ

会話を長く続けるためには、自分がたくさん話すことよりも、相手にたくさん話させた方が続きやすくなります。

ここまでの説明にもあったように、相手にいろいろ語ってもらうことで、そこから新たな話題が生まれたり、関連する話題に話を切り替えやすくなったりします。全部、自分で頑張ろうとする人ほどネタが尽きて会話が続かなくなってしまいます。

冒頭述べたように、会話は話すと聞くという両方の行為で成り立ちます。ぜひこのことを忘れずに、いろいろな人との会話を楽しんでもらえればと思います。

というわけで、今回は会話が続かない時に試してほしい5つのテクニックを紹介しました。では!