コミュニケーション能力が低くて悩んでいませんか?

最近ではいろいろなところでコミュニケーション能力の必要性が問われるようになりました。特にビジネスの世界では重視されていますよね。

「人と話すのが苦手」「コミュ障だから」と諦めてしまってはもったいない! 実は、コミュニケーション能力はちょっとした工夫で向上させることができます。

そこでこの記事では、

  • コミュニケーションの本質
  • コミュ力を向上して得られるメリット
  • コミュニケーション能力を上げる具体的な方法

について解説します。

今はまだコミュニケーション能力が高くなる自分を想像できないかもしれませんが、記事を読み終えた頃には「なんだ、そんなことでいいのか」と実感できるはず。

ぜひ、最後まで読んでくださいね!

コミュニケーション能力とは?

コミュニケーション能力とは、会話などの手段を通じて、他者と良好な人間関係を築く力のことです。

コミュニケーション能力が高いというと、

  • おもしろい話ができる人
  • 論理的に物事を伝えることができる人
  • アナウンサーのように綺麗な話し方ができる人

のような人をイメージしますよね。

しかし、話の組み立て方が上手くなく、滑舌や発声が悪かったとしても、コミュニケーション能力が高い人はいます。

なぜなら、コミュニケーションの目的は、他者と良好な人間関係を築くことであって、上手に話すことではないからです。

きむにぃ
きむにぃ

もちろん、論理的な伝え方や正しい発声がコミュニケーション能力の向上に一役買うことは確かだよ。ただ、そういうことが得意でない人でも、人と上手にコミュニケーションを取ることができることは知っておいてほしいんだ。

研修生A子
研修生A子

良好な人間関係を築く、という目的を見失ってしまうと、技術ばかり追い求めて、みんな同じような話し方になっちゃうし、人間味がなくなっちゃうもんね。

そこでこの記事では、コミュニケーション能力を「自らの個性を輝かせながら、良好な人間関係を築く力」と定義しています。

コミュニケーション能力を向上させるメリット

あなたがこの記事に訪れてくれたのも、コミュニケーション能力について何らかの悩みがあるからですよね。

一方で、「コミュニケーション能力が高くなると具体的にどうなるの?」といまいちピンと来ていないのではないでしょうか。

結論から言うと、コミュニケーション能力を向上させると多くのメリットを得ることができます。とくに仕事の面では顕著にあらわれますね。

そこで最初に、コミュニケーション能力を上げることで得られるビジネス上のメリットについて解説します。

希望の会社に入社しやすくなる

コミュニケーション能力が高いと希望の会社に入社しやすくなります。

経団連が実施した調査によると、新卒採用の選考にあたり最も重視した点として、16年連続(2019年現在)で「コミュニケーション能力」が第1位に選ばれました。

これは、会社がコミュニケーション能力の高い人材を求めているということです。

コミュニケーション能力を向上させると、希望する会社に入社できる確率を高めることができるわけですね。

周囲から高く評価される

コミュニケーション能力を向上させると、周囲から高く評価されるようになります。

なぜなら、コミュニケーション能力の高い人は、相手の言葉をそのまま受け取るのではなく、的確に意図をとらえて行動することができるからです。

上司からの指示や部下からの相談など、相手が「こうしてほしい!」と思うことを先回りして対応するとみんな喜んでくれますよね。

コミュニケーション能力を向上させることは、1を聞いて10を知る力を向上させることでもあるため、自然と周囲の評価も高くなりますよ。

提案が通りやすくなる

コミュニケーション能力を向上させると、あなたは頼りになる存在として、周りから一目置かれるようになります。

人の目には「優秀な人」として映ることでしょう。当然、あなたの言葉に耳を傾ける人も多くなります。

そうすると、仕事の内容がコントロールしやすくなるだけでなく、これまで以上に自分の提案も通りやすくなります。

仕事を早く終わらせられる

仕事上で起こるトラブルの本質は人とのコミュニケーション不足によるものです。

例えば、設計ミスが原因で機械が故障した、という場合でも、発注者と受注者の間で意思疎通ができていなかったことが真の原因ということもありますよね。

トラブルは多くの時間を奪います。反対に、トラブルがなければ仕事はもっと早く終わったはずです。

コミュニケーション能力が向上すれば、意思疎通の不足を原因とする事故を防ぐことができるので、仕事をこなすスピードも速くなりますよ。

コミュ力を向上させる方法 ~信頼関係の構築編~

ここからはコミュニケーション能力を向上させるための具体的な方法を説明します。

コミュニケーションで一番大事なのは相手との信頼関係を築くことです。

人間には生まれ持っての防衛本能があるので、初対面の相手にはどうしても警戒心を持ってしまいますよね。

そんな状況で「上手に話そう」とか「盛り上げよう」と思っても空回りするだけ。最悪、印象が悪くなってしまうかもしれません。

そこで、まずは相手の警戒心を解きながら信頼関係を築くための方法を解説します。

笑顔で相手の警戒心を解く

コミュニケーション能力を向上させたいならまずは笑顔をしっかりと作りましょう。表情豊かで見ている人まで楽しい気分にさせる笑顔に敵うものはありません。

笑顔は相手の警戒心を解くのに非情に有効です。これから仲良くしたいと思う人を前に、自分の顔が緊張してこわばっていては良くありませんよね。

まずは自分がリラックスして、とびきりの笑顔を見せるようにしましょう。

人間は初対面の相手を警戒しますが、相手の表情が笑顔であれば「この人は敵ではない」と判断します。そのため、1に笑顔、2に笑顔と意識するようにしましょう。

研修生A子
研修生A子

私、初対面の人が相手だと緊張しちゃって笑顔にならないのよね。

きむにぃ
きむにぃ

それなら口角を上げて、目を細めるだけでも大丈夫だよ。

研修生A子
研修生A子

え、でもそれだと単なる作り笑顔じゃない?

きむにぃ
きむにぃ

実は人間の脳は行動を先にした場合でも、その行動にふさわしい感情を形成するということが最近の研究でわかっているんだ。

楽しいから笑顔になる、ではなく笑顔だから楽しくなる、というのはちょっと不思議な感じもしますよね。

しかし、自然に笑顔にならない人はぜひ、やってみてほしいです。笑顔で敵でないことをアピールすれば自然とコミュニケーションもとりやすくなりますよ!

優しい声で安心させる

コミュニケーション能力の高い人は声に優しさがあります。

想像してみてください。いつも声を荒げている人より、おだやかな口調で優しさが伝わって来る人の方が安心できますよね?

そのため、コミュニケーション能力を向上させたいなら、優しい声で相手を安心させるようにしましょう。

ポイントは、高すぎず低すぎず無理に声を飾ろうとしないことです。また、早口の人は少しゆっくり話すことで柔らかい印象を与えることができます。

さらに今すぐできるテクニックとして、語尾に「さ」行の拗音(「ショ」)を入れるようにしてみてください。

・「〇〇ですか?」→「〇〇でしょうか。」
・「そうですね。」→「そうでしょうね。」

いかがでしょうか? 「ショ」が入るだけで優しく柔らかい印象になりますよね。

コミュニケーション能力が高い人はこういう細かい部分にも気を配っています。

自分がリラックスして、柔和な態度を取るれば相手の警戒心も解け、自然と信頼関係が生まれてくるでしょう。

相手の動作を真似する

コミュニケーション能力を向上させるための第一歩は相手に合わせることです。

人間は、自分と似ている人や、共通点がある人に安心感を抱きます。あなたの周囲にも趣味や性格、考え方が似ている友人が多くいるのではないでしょうか。

しかし、初対面の相手では、その人がどういう人物かわからないので、共通点を探し出して安心させる、ということはなかなか難しいと思います。

そんな時は、相手の動作を真似ることから始めてみましょう。

  • 相手の話し方と同じくらいの速さや声の大きさで話す
  • 相手が飲み物を飲んだら自分も飲む
  • 相手が腕を組んだらこちらも腕を組む

このように相手の動作に自分も合わせることを心理学の用語でペーシングといいます。

ペーシングをすることでこの人、なんだか私と似ているな。」と思い、安心感を与えることができます。

おおげさに真似るのではなく、相手に気づかれないよう自然に真似するのがコツです。

ペーシングが当たり前になってくると、相手の視点で物事を判断できるようにもなるので、コミュニケーション能力の向上に役立ちますよ。

相手の気持ちに寄り添う

ペーシングのように目に見えることだけでなく、相手の気持ちに寄り添うこともコミュニケーション能力の高い人がやっていることです。

相手の気持ちに寄り添うためには、受容・共感・同調を使います。それぞれ違う働きなので、目的に応じて使い分けられるようにしましょう。

受容

受容とは、相手の話をありのままに受け入れることです。相手の話に賛成できないような場合でも受容を使うことで相手に不快な思いをさせずに済みますよ。

受容の言葉
  • そうでしたか
  • そんなことがあったんですね
  • そのようにお考えなんですね

受容は肯定も否定もせず、ありのままに相手の話を受け入れることがポイントです。

たとえ事実でなく受け入れ難いようなことでも、相手を尊重して理解しようとする姿勢を貫きます。

共感

共感とは、相手の感じたことを自分も同じように感じ、気持ちを共有することです。相手が感情的になっているような場合、クールダウンさせる効果もあります。

共感の言葉
  • それは大変嬉しいですよね
  • 私も〇〇さんの立場だったら同じように怒ります
  • さぞかし、お辛いことでしょうね

共感は、気持ちを共有することですが、「私もそう思う」ではなく「あなただったらそう思う」という表現に留めておく必要があります。

「私も~」の表現だと「そんなふうに感じてないくせに」と思ってしまう人もいますからね。

同調

同調とは、相手の意見や考えに賛同している意思を示すことです。お互い共通の価値観を持つことで、仲間意識を芽生えさせることができます。

同調の言葉
  • おっしゃる通りです
  • その考えに賛成です
  • ほんと、そうですよね

しかし、本心ではないのに相手に合わせるためだけに使ってしまうと、「あの時、賛成してくれたじゃん!」と後々トラブルになることもあります。

そのため、使うタイミングを間違わないよう注意しましょう。

YOUメッセージで受け入れる

相手の話の中には、間違いや、反論したくなるようなこともあると思います。

しかし、それを真っ向から否定すれば、たちまち信頼関係は崩れてしまいますよね。だからといって間違っていると思うことを抑え込むのはストレスがたまります。

そこで、相手の賛同できない言葉を聞く時は、YOUメッセージで受け入れるようにしましょう。

YOUメッセージで受け入れるとは、相手の言った言葉の前に「あなたにとっては」を付け加えて、相手の意見を否定しないようにする心構えのことです。

例えば、あなたはアイドルAのファンなのに、「Aって全然可愛くないよね」と言われたら「いや、可愛いよ!」と言い返したくなりますよね。

この時、相手の言葉をYOUメッセージにして、「あなたにとっては、Aは可愛くないんだ」と考えるようにします。

すると相手の意見は、あくまでもその人の主観に基づいたものであることに気づくので、否定したり反論したりする気が薄れます。

先入観を捨てる

初対面で不愛想な人をみると、「この人とは仲良くなれなさそう」と勝手に考え、コミュニケーションが消極的になりがちですよね。

しかし、実際のところ第一印象が悪くても、話してみたら良い人だった、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

せっかくのコミュニケーションの機会を先入観で失わないために、まずは性善説で考えることをおすすめします。

性善説とは「人は生まれながら善であり、生まれながら悪の人はいない」という考え方です。

https://atama.co.jp/entry/seizensetsu/

先入観があると相手を警戒して、それが表情や態度にも表れてしまいます。しかし、性善説を前提にすれば「本当は良い人のはず。」と考えることができるので、こちら側の態度も改められます。

そもそも、こちら側の態度が良くなくて相手が警戒していた、なんてこともあるので、余計なフィルタを外すためにも、まずは性善説で相手を考えるようにしてみましょう。

学ぼうとする姿勢で相手の心を開く

コミュニケーション能力を向上させたいなら、常に相手から学ぶ姿勢をとりましょう。

コミュニケーション能力の高い人は、どんな相手であっても「もっと詳しく教えてもらえますか?」と相手の懐に飛び込んでいくのが上手です。

自分に興味を持ってくれたり、頼ってくれたりする相手には心を開きやすくなりますよね。

相手に好意を向けると、相手からも好意が返ってきやすくなります。これを心理学の用語で好意の返報性といいます。

たとえすでに知っているようなことでも、新鮮な気持ちで聞き、深く学ぼうとする姿勢を貫けば、相手もあなたに好意をもってくれるはずですよ。

話を聞くことに集中する

コミュニケーションというと、相手も自分もバランスよく話すようなイメージがありますよね。

特に初対面では、相手のことも知りたいし、自分のことも知ってもらいたいと考えるのが普通です。

しかし、中には自分の話を聞いてくれるだけで相手に心を許す人もいます。相手の話には興味ないけど、自分のことは話したいというタイプですね。

そういうタイプの人を相手にする時は、無理に話そうとせず、聞き役に徹することが大切です。

話好きな人は物足りなさを感じるかもしれませんが、聞き役になることで相手が安心できる空間を作っていると考えるようにしましょう。

コミュ力を向上させる方法 ~思いやり編~

コミュニケーション能力の高い人は常に思いやりをもって行動します。

なぜなら、コミュニケーションは相手があって初めて成り立つものだからです。相手のことを考えない人は、残念ながらコミュニケーション能力は向上しません。

相手の目に自分はどう映っているのか、今相手が何を感じているのか、常に思いやりをもって行動するための方法を紹介します。

相手の視点で考える

あなたは小さい頃、自分の右側が対面する相手にとっては左側であると言われ、困惑した経験はないでしょうか。子供は自分を世界の中心と考えるので無理もありません。

大人になるにつれて自分と相手の視点の違いも受け入れられますが、それでも思わず自分を中心とした視点で物事を伝えてしまうことがあると思います。

例えば、

・レストランで「私の左にいる人、〇〇に似てない?」などと言う
・相手の視界に入らないものを「あれ見て」と指さす
・本当は左なのに「右のまつげにゴミついてるよ」と教える

言われた側はすぐに気づきますが、一瞬であっても相手を戸惑わせていることには違いありません。さらに、これが頻発すると相手を疲れさせてしまいます。

相手の立場でコミュニケーションをとる第一歩として、まずはお互いの視点の違いを認識し、相手の視点に立った伝え方をするよう心がけましょう。

相手が知らないという前提で話す

相手が知らないことを、「これくらいなら知っているだろう」という前提で話をする人がいます。

さきほどの視点の話に共通することですが、自分の常識が相手の常識とは限りません。

そのため、「これくらい~」と思うことであっても、「もしかしたら知らないかもしれない」という前提で丁寧に話すようにしましょう。

中には「そんなことも知らないの?!」と言いたくなることもありますが、他人からすればあなたも同じかもしれません。

しかし、人はそれぞれ育ってきた環境、与えられてきたものがみんな違います。

知識の多さ、少なさで対等な人間関係が変わるようであればコミュニケーションは成り立たなくなりますよね。

どんな話であっても、相手が知らないという前提に立ち、もし本当に知らないのであれば1から説明する、わかってもらえないのであれば、わかってもらえるように教える。

それが話し手の責任と考えるようにしましょう。

相手が喜ぶことを先回りする癖をつける

コミュニケーション能力を向上させるためには、相手が望んでいることや、喜ぶことを先回りして行動しましょう。

例えば、

  • 「そろそろ休憩したいな」と思っているところに、缶コーヒーをそっと置いてくれる上司
  • 初めての会合で何階の会場か迷っている時に声をかけてくれるホテルのベルマン。

どちらも声に出して望んでいないのに、相手が喜ぶことを先回りして動いてくれています。このように対応されたら誰だってほっこりした気持ちになりますよね。

とはいえ、相手が喜ぶことを先回りする、というのはそう簡単なことではありません。

そこで、最初のうちは相手の表情や仕草をよくみて、困った顔をしていないか、などを観察することを心がけます。

そして、表情や仕草の変化に気づいたら、「何かお困りですか?」「私にお手伝いできることはありますか?」と勇気を出して声をかけてみましょう。

話しやすい話題を振る

もう終わってしまいましたが、以前「笑っていいとも」というテレビ番組で司会のタモリさんがゲストとトークするテレホンショッキングというコーナーがありました。

そのコーナーでは、タモリさんは基本聞き役に徹して、ここぞという時に鋭い切り返しや質問をしてゲストのトークをさらに盛り上げていました。

大物司会者といえば明石家さんまさんも有名ですが、さんまさんがゲストをいじって笑いを取るのに対し、タモリさんはゲストに喋らせ、ゲストの魅力を存分に引き出すタイプです。

トークが苦手なゲストでも盛り上がるのは、タモリさんがゲストの話しやすい話題を振っているからですね。

相手が話しやすい話題であれば、こちらも無理に話す必要はなくなり、相手もストレスを感じず、自然なコミュニケーションが成り立ちます。

テレホンショッキングを例にすると、「そういえば前は〇〇だったよね」と最初にゲストの過去に触れます。ゲストは当然自分のことですから、「そうですね。あの頃は~」と話し始めます。

その話の中で気になったことがあれば「あの時は〇〇だったの?」と質問をして、話のネタが尽きてきたタイミングで「最近は何してるの?」と話題を切り替えます。

すべて相手が話しやすい話題だから、相手も気持ちよく話すことができるんですね。

タモリさんのようにコミュニケーション能力の高い人は、俺が俺がと前へ出るのではなく、相手が話しやすい環境を用意することにも長けています。

普段の会話でも、「その洋服ステキですね」とか「この前のお休みは何されていたんですか?」など相手の話しやすい話題を振るようにしてみましょう。

沈黙を恐れない

会話をしている時、お互い話すことがなくなって沈黙が訪れることがあります。そんな時、無理に話し出したり、話題を切り替えたりしていないでしょうか。

その話が再び熱を取り戻すようであれば構わないですが、そうでない場合、再び沈黙が訪れ気まずい雰囲気になることもあると思います。

しかし、そもそもなぜ沈黙が気まずいのでしょうか。人によっては長く会話することに慣れていなくて、少しばかり沈黙があった方が心地よさを感じる人もいます。

また、自分と同じように沈黙しながらも次の話題を考えているのかもしれません。

相手が望んで沈黙していると考えれば妙な責任感から逃れられ、気まずさも和らぎます。無理に会話を続けるのではなく、少し待つなどして沈黙の時間も楽しんでしまいしょう。

コミュ力を向上させる方法 ~話し方編~

コミュニケーション能力を向上させるには、話し方を改善するのもひとつの手です。

信頼関係を構築するうちに相手はあなたに興味を持ち始めます。そうすると、自分のことについて話さなければならないですよね。

そこで自分が話し手になった時、何に気を付けて話せばいいのか、具体的な方法を紹介します。

嘘偽りなく自分を開示する

嘘いつわりなくありのままの自分の情報を伝えることを心理学の用語で自己開示といいます。

自己開示にも返報性があり、自分が開示した情報と同程度の情報を相手も返してくれるようになります。

自分のことを全く語らない人に、大切なプライベートの情報を伝えたいとは思わないですよね。

ですから、相手のことをもっと知りたいと思うなら、自分のことも積極的に話すようにしましょう。

研修生A子
研修生A子

自分のことって何を話せばいいのかしら? 「趣味はお茶です」みたいな?

きむにぃ
きむにぃ

一昔前のお見合いみたいだね(笑)。趣味でもいいけど、一番のオススメは自分の失敗談かな。

研修生A子
研修生A子

失敗談!? そんなまだ関係の浅い人に自分の失敗を聞かせるなんて恥ずかしすぎるよ~。

きむにぃ
きむにぃ

関係が浅いからこそだよ。失敗は誰にでもある経験だから共感を得やすいんだ。「実は、この前こんな失敗をしてしまいまして」と話せば、「私も同じような経験があります」と返してくれるよ。

失敗は恥ずかしい経験ですが、それを隠さず笑い話にできれば「この人は、こんなことまで語ってくれるのか」とより関係性を深めることができます。

論理ではなく感情を語る

人は論理ではなく、感情によって動かされます。

「時間がなくて間に合わないから手伝ってもらえないか?」より「残業続きで妻の機嫌が悪いから手伝ってもらえないか?」と言われた方が動こうという気になります。

もちろん、論理がゼロでいいということではありません。自分の主張を通したい、相手を説得させたい、という時は論理という土台が必要です。

しかし、そうであっても最終的には人は感情で動こうとします。

セールスやプレゼンでどんなに商品のすばらしさを論理的に説明されても「言っていることはわかるけど……」となって契約に至らないことは多くあります。

そして意外にも、

「私も先日これを娘にプレゼントしたら本当に喜んでくれたんですよ。だから、この商品の良さをもっとみなさんに知ってもらいたいんです」

なんて言葉が最後のひと押しになることもあります。

そのため、相手と話す時は「△△だから〇〇だった」と論理だけを話すのではなく、「それで私は嬉しかった」のように必ず感情も織り交ぜるようにしてみましょう。

エピソードになるよう心がける

相手との関係性を深めるために、自分の性格について話すことがありますよね。

そんな時、ただ「私は積極的な性格です」とだけを伝えてもあまり意味がありません。なぜなら、それを聞いたところで、「そうなんですね」としか思わないからです。

そこで、自分のことに興味をもってもらいたい時は、エピソードになるよう心がけましょう。

さきほどの例でいえば、

「この前近所でお祭りがあったんですが、老人会が主催するカラオケ大会に飛び入り参加しちゃったんですよね」

のようにエピソードを交えた方が、「本当に積極的な性格なんだなぁ」と感じませんか?

人は客観的な情報より、その人自身の経験やエピソードに興味を示します。

自分の性格や持っている価値観などをそれとなく伝えたい時は、ぜひエピソードにして話してみてくださいね。

話の内容や言葉に合った表現をする

対面でのコミュニケーションをとる際に、聞き手の印象に残りやすいのはどの部分かを調べたメラビアンの法則というものがあります。

それによると、

メラビアンの法則
  • 言語(話の内容)→7%
  • 聴覚(声)→38%
  • 視覚(見た目)→55%

と振り分けられるそうです。

このことから「人は見た目が一番大事」と、恋愛ハウツー本や自己啓発セミナーでよく言われています。

しかし、実をいうと、これは大きな誤り。

なぜなら、メラビアンの実験では、言語、聴覚、視覚の各要素間が“矛盾するように”メッセージを伝達するという条件下で行われたからです。

つまり、顔は怒っているのに、口では「とても楽しいです」と言っているような感じですね。

そのような条件下では相手の真意がわからず困惑してしまいます。

それでもなんとか相手の真意を読み取ろうとすれば、おのずと視覚情報に頼らざるを得ません。

メラビアンの法則からわかることは、人は言語、聴覚、視覚のどれかひとつではなく、すべての要素を統合して相手の印象を決めているということです。

相手困らせないためにも、楽しい話なら笑顔で明るい声を、悲しい話なら悲しい表情で暗い声を、といった具合に、話の内容や言葉に合った表現をするようにしましょう。

コミュ力を向上させる方法 ~関係維持編~

コミュニケーションは良好な人間関係を築き上げたらそれでおしまいではありません。良好な人間関係は維持させることに意味があります。

そこで最後は、「次もあなたに会いたい!」と思わせるテクニックを3つ紹介したいと思います。

たとえ話やユーモアを取り入れる

コミュニケーション能力の高い人は、決まってたとえ話やユーモアを織り交ぜ、何時間でも飽きさせない工夫をしています。また、そういう人の話は何度でも聞きたくなりますよね。

喩え(たとえ)話の作り方

喩え話はわかりにくいことや、馴染みのないことを共通点がある別のものに置き換えて説明する技術です。

例えば、「妊婦が風疹にかかると赤ちゃんに大きな影響がある」と言われるより、

「妊婦が風疹にかかるというのは、妊婦が毎日タバコを吸うより危険なこと」

と言われた方が風疹の怖さが伝わります。

これは、風疹の危険度を一般的に馴染みのある妊婦がタバコを吸う危険度に置き換えて喩えているわけですね。

たとえ話を作るコツは、説明しようとしている事と共通点がある別の物事がないか常に意識し、自分でオリジナルのたとえ話を何度も作ってみることです。

https://atama.co.jp/entry/metaphor/

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると「アレとコレも似ている!」と発見でき、ここぞという時に絶妙なたとえ話をすることができるようになりますよ。

ユーモアの作り方

ユーモアはセンスがないとできないと思っていませんか?

実は、たとえ話と同じように共通点から作ることができます。

例えば、相手から「(水色と白の)ストライプのネクタイお似合いですね」と言われたら、

「はい、ローソンの店員みたいで気にいってます」

と似ているものを取り上げて笑いにすることができます。

また、メタボ体系でいじられキャラの人が

「美容師で竹内涼真(イケメン俳優の名前にしてくれってお願いしたらこの髪型になりました」

と、あえて似ていないものにたとえて、ギャップで笑わせるという方法もありますね。

万が一、シーンとなってしまった場合でも、何食わぬ顔で「ちょっと病院行ってきます」などと言えばすべり芸として笑ってもらえます。

褒め上手になる

次も会いたくなる人には褒め上手な人が多いです。人間は褒められると脳でドーパミンという快楽物質を分泌します。

ドーパミンは脳内麻薬と言われる快感の源です。

褒められて嬉しいと感じることで、ドーパミンが分泌され、また褒められたい!(=快感を得たい)と、褒めてくれる人に会いたくなるわけですね。

さて、褒め方には「すごいね」「頑張ったね」という褒め方の他に、「感動したよ」「尊敬するよ」という褒め方があります。

https://atama.co.jp/entry/motivation-of-subordinates/

前者と後者の違いはYOUメッセージかIメッセージかの違いです。

「すごい」「頑張った」というのは「(あなたは)すごい」というように、相手を主語にしています(YOUメッセージ)。

一方、「感動したよ」「尊敬するよ」は、「(わたしは)感動したよ」というように、自分を主語にしています(Iメッセージ)。

Iメッセージは、話し手が感じたこと、思ったことで相手を褒めるので、YOUメッセージより素直に受け取ってもらえます。

どうやって褒めていいかわからない、という時は、自分が感じたことを素直に相手に伝えてみてはいかがでしょうか?

楽しみを残しておく

良好な人間関係を維持したいなら、楽しみを残す工夫をしましょう。

人は、最後まで成し遂げたことよりも、中途半端に成し遂げられなかったことの方が記憶に残りやすくなると言われています。

これを心理学用語でツァイガルニク効果といいます。

連続ドラマなどがいい例ですね。

エンディングでいい展開になったと思ったら「to be continued(つづく)」が表示され「早く続きが見たい!」と思ったことは誰にでもあるでしょう。

コミュニケーションでもツァイガルニク効果を利用すれば、「また会いたい!」と思わせることができます。

例えば、そろそろお別れというタイミングで相手が興味を示しそうなとっておきの話題を話し始めます。

そして時間になったら「あ、もうこんな時間か。続きは次回にしましょうか」と言うだけです。

こんな風に言われたら「え、もうちょっと話したかったのに」と思うのではないでしょうか?

また、話そのものでなくてもツァイガルニク効果を使うことができます。

例えば、居酒屋であえて一番食べたかったメニューを頼み忘れます。

そして、お開きの前に「そういえばあれ、頼み忘れちゃいましたね。次来る時の楽しみにとっておきましょうか」とすることで、関係を維持するきっかけが作れます。

すべて出し尽くしてしまうのではなく、相手に少し物足りなさを残すことで、「次もまた会いたい!」と思わせることができますよ。

まとめ

ここまでコミュニケーション能力を向上させる方法をたくさん紹介しました。

すべて覚える必要はないので、どれかひとつでもできるところからぜひ実践してみてくだいさいね。

コミュニケーション能力を向上させる鍵は毎日の意識と実践です。

「こういう時は聞き役に徹するんだったな」というように意識に上げれば、それが行動につながります。そして、行動を繰り返せば習慣になっていきます。

また、この記事ではなるべく具体例も盛り込んで解説したつもりですが、まだまだ不十分な部分もあると思います。

そこでおすすめしたいのが、コミュニケーション能力が高いと思う人と積極的にかかわること。

コミュニケーション能力が高い人とたくさん接することで、今回お伝えした内容がより明確に理解できます。また、そういう人から学ぶことは大変多いです。

「この気遣い素敵だな」「このたとえ話は使える」というものがあれば、ぜひ、ストックしておくようにしましょう。

ところで、この記事を書き始めた当初は「コミュニケーション能力を向上させる35の方法」だったのですが、さすがに多すぎだろ! ということで19まで抑えました(笑)。

残りの技術についてはまたこのブログやメルマガなどで発信していこうと思います(ツァイガルニク効果)。

というわけで今回はコミュニケーション能力を向上させる19の方法をお伝えしました。では!