しつこいクレーム、上手にかわす方法教えます

クレーム対応

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この記事ではしつこいクレームを上手にかわす方法を紹介する。

しつこいクレームというとどんな感じのものを想像するだろうか。こちら側は十分譲歩した提案をしているのに「納得できない」とか、一度収まった話を蒸し返してくるとか、しつこさにもいろいろなタイプがあると思う。

クレーマーをタイプ別にわけるべきか

そもそもしつこい、とはどういうことだろうか。クレーム対応の本を読んでいると、「タイプ別クレーム対処法!」なんてものをよく見かける。

すぐに怒鳴り散らすような激昂型、淡々と苦情を言う論理型、そして、理不尽な対応を求める執拗型。

「しつこい」というのは「執拗」に置き換えることができるので、みなさんが「この人しつこいなぁ!」と思うお客さまはタイプでいうと執拗型にあたるのかな。

さて、ここまで話しておいてなんだけど、僕はこのタイプ別の対処法というのが大嫌だ。「◯◯型の人には△△のように対応すべし」とか書いてあるが、嘘つけバカやろう、と思う。

確かにこの手のタイプ別対処法は、便利ではある。お客さまをこちら側が思ったタイプに当てはめ、書いてある通りに対応すればいいだけなのだから。

しかし、どの本にもタイプ別の対処法は書いてあっても、そのタイプの見極め方についてはあまり書いていない。

何が言いたいかと言うと、その人のタイプをこちら側が勝手に決め付けて、杓子定規に対応するということがとても危険なのだ。なぜなら、その見極めを誤った時点で即アウトだからである。

それにいわゆる論理型だな、と思って対応していたら、どこかでスイッチが入って激昂型に移行することだってある。

タイプ別対処法は心理学の観点からは、決して間違っているものではない。しかし、上記のような危険性が伴うものなので、あくまでも予備の予備の、そのまた予備の知識として覚えておく程度に留めておいた方がいい。でないと、お客さまがよくいう「マニュアル通りの対応」になってしまう。

そのお客さまは本当に「しつこい」ですか?

話を元に戻そう。

しつこい、の定義についてだが、いくつか例をあげてみるので、このお客さまのクレームを「しつこい」と感じるようなら挙手願いたい(心の中でやってね)。

(ケース1
とある携帯電話会社のコールセンター。通話時間は先月と比べ短くなったのに、今月の請求金額が大幅に高くなったというクレーム。調べたところ、確かに通話時間は短くなっていたが、購入したアプリの金額が請求されていた。

「お調べしましたところ、アプリ購入代金の2100円が4月分として請求されていることが原因でした」
「え?なんで? 4月はアプリ買ってないんだから、その分が入ってくるわけないでしょ」
「さようでございましたか。しかし、データには購入記録がございます」
「だから買ってないんだって。これ、不当請求じゃないの?!」
「確かに4月分として購入された記録がございます。合計で5つのアプリですが、ご記憶にございませんでしょうか」
「アプリを買ったことはあるけど、今月は絶対に買ってない。いい加減なこと言ってんじゃないわよ!」
「恐れ入りますが、3/20に購入履歴がございます」
「だから、それは先月でしょ? 4月は買ってないじゃない。お金返してよ」
「ご購入されたのは確かですよね、それを請求させていただいているだけなのですが……」

(ケース2
とある通販の配送センター。インターネットで3日前に注文したのに、まだ商品が届かないというクレーム。確かに通常発送の商品は2日程度で到着するが、入荷待ち商品の場合、1週間程度かかる。お客さまが注文した商品は、人気商品で品薄状態であった。

「お客さま、こちらは大変人気の商品で、1週間程度お時間がかかると思われます」
「え、そんなこと書いてあったかな? 商品のページに記載あるの?」
「はい、書いてあったはずです」
「いやー、そんなことはないね。だって、入荷待ちだったら気づくでしょ、普通」
「そこはお客さまにもよると思うので、なんとも」
「絶対、通常発送の商品だよ。俺が注文したあとに入荷待ちになったんじゃないのぉ?」
「そのようなことは決してございません。大変人気の商品ですから、他と見分けがつくように”入荷待ち”と大きく記載があったと思います」
「いや、なかった! 絶対にない!」

いかがだろうか。あなたは、いずれのケースのお客さまも、「しつこい」と感じただろうか。

もし、しつこいと感じたら、考え方を改めてほしい。実は、いずれのケースも、お客さまは真っ当なことを言っている。いわゆる「しつこい客」、「面倒な客」ではない。

まず、ケース1だが、データを確認してアプリが購入されていたことは事実である。しかし、お客さまは「4月はアプリを購入していない」と主張している。

実はこれ、オペレーターが話している「4月分」とお客さまが主張されている「4月」に食い違いが発生している。

料金の請求が毎月1日開始の月末締めであればなんの問題もないが、そうではないこともある。ケース1の携帯会社の請求が毎月15日締めだった場合、4月分の期間は3/15から4/15となる。

お客さまがアプリを購入されたのは、3/20なので、確かに携帯会社からすれば「4月分」ということになる。しかし、例えば今日が4/20であった場合、一般的にみれば3月は前月であるから、3/20を4月分とみることは難しい。

したがってこのケースはお客さまがしつこいわけでなく、オペレーターの説明不足が原因である。

続いてケース2。

商品が届かないというクレームだが、実際は入荷待ちの商品だった、らしい。入荷待ち商品はホームページにも目立つように記載がある。

それなのに、なぜこのお客さまは「そんなはずはない!」と言い張るのか。そこで、もう一度やりとりをみてもらいたい。今度は注目してもらいたいところを太文字にしてみた。

「お客さま、こちらは大変人気の商品で、1週間程度お時間がかかると思われます
「え、そんなこと書いてあったかな? 商品のページに記載あるの?」
「はい、書いてあったはずです

実は、お客さまが注文された商品は通常商品で入荷待ち商品ではなかった。ケース2の設定を読んでみても、どこにも商品が入荷待ち商品であるということは書いていない。また、オペレーターはすべて「思われる」とか「書いてあったはず」など曖昧な言い方をしており、本当に入荷待ち商品であったかを確認した様子がない。このことがさらに不信感を募らせている。

つまり、このオペレーターはお客さまが注文した商品が人気商品であり、品薄状態にあったことから「入荷待ち商品」と思い込んだに過ぎない。そして、その頭で入荷待ち商品の説明をしているので、お客さまと話がかみ合っていないのである。

結果として、ケース2のクレームもお客さまがしつこいのではなく、オペレーターの確認不足が原因である。

まずは自分の行動を振り返ってみよう

電話対応、クレーム対応では「この客しつこいなあ」「面倒だなあ」と感じることはよくある。

しかし、それはあくまでもコールセンターに従事する側の人間の主観に過ぎない。こうしたクレームは、ふたを開けてみるとオペレーター側の勘違いや、説明不足によって発生していることがよくある。

そこで、そのように感じたとしても、まずは「何か間違ったことを言っているのかもしれない」、「説明がうまく伝わっていないのかもしれない」と自分を振り返ることで、こうした「しつこい」クレームをかわすことができるはずだ。

まとめ

今回は「しつこいクレーム、上手にかわす方法教えます」という件名にしておきながら、実はその原因は自分(あなた)にある、と言っているようなものだったので、記事の内容に不満を抱いた人もいると思う。

だけど、これまでたくさんのクレーム対応、とくに上席対応をしてきた僕からすれば、「あそこでこういう言い方をしていなければ」とか「ここで、こう言っておけば」クレームを防げた、と思うことは山ほどある。そして、そういう対応に限って「このお客さまかなりしつこいんですけど」とか「ぜんぜん理解してもらえないんです」といったオペレーターの声があがる。

そのため、今一度自分自身の応対を振り返ってもらいたいという気持ちでこの記事を書かせてもらった。タイトルで釣るような形になってしまったことは申し訳ないが、これを機会に改めて自分の応対を見つめなおしてもらえれば幸いである。

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