人前で話すとき、極度に緊張したり不安を感じたりしていませんか?身体が熱くなったり上手く言葉が出てこなかったりするなら、それは「あがり症」かもしれません。あがり症は誰にでも起こる症状ですが、そのせいで仕事や人間関係が上手くいかず困っている人は少なくありません。

この記事では、あがり症の特徴や克服の仕方を解説します。色々な方法を試したけど上手くいかない……と悩んでいる方は、ぜひ実践してみてくださいね!

あがり症とは?

ひとことで「あがり症」と言っても、どんな症状なのかを知っていますか?あがり症とは、人前に出ると極端に緊張してしまう性質のことを指します。

緊張の度合いには個人差がありますが、身体が震えたり上手く言葉が出てこなかったり、そういった症状が出たことはありませんか?今まで一度も緊張したことがない!という方は稀で、緊張や不安は誰しもが経験する感情です。

しかし、人前でいつも緊張してしまう方や不安で胃が痛くなる方は、あがり症なのかもしれません。

あがり症の特徴

初めて会う人と話すときや大勢の前で話をするときに、緊張して上手く話せない経験を持つ方は多いのではないでしょうか。それは、あがり症の症状のひとつかもしれません。

あがり症の症状は、声や身体が震える・汗が出る・言葉が出ないなどいくつかあります。ここでは、あがり症の代表的な症状を解説します。

声や身体が震える

人前に出たときや初対面の人と話すとき、声や身体の震えを感じたことはありませんか?いつも友人と話すような声ではなく、うわずるなどして上手く発声できない経験はないでしょうか。また、面接やプレゼンなど緊張する場面で膝がガクガクと震えてしまうこともあるでしょう。

これは、ノルアドレナリンが分泌されるために血圧や心拍数が上がることによる症状なのだそう。声や身体の震えを抑えたいなら、事前に発声練習をしたり大きく深呼吸したりするのが効果的です。

顔が赤くなり熱くなる

緊張すると、急激に体温が高くなるのを感じる方もいるでしょう。「顔が赤いよ」と指摘されると、恥ずかしさから更に熱くなってしまいますよね。これは、自律神経の乱れからくるもの。身体が危険を察知して、毛細血管が膨張するのだそうです。

顔だけではなく、身体もボッと熱くなることも。気持ちの焦りからくる場合もあるため、人前に出ると顔や体が熱くなる方は深呼吸をしたりストレッチをしたりするなど、リラックス(=自律神経を整える)することを心がけてみましょう。

汗が出る

顔や身体が熱くなる方は、同時に汗もかくのではないでしょうか。気温は高くないのに、緊張感で変な汗が出てしまうこともありますよね。

汗には大きく分けて「気温が高いときにかく汗」と「緊張して出る汗」の2種類があります。気温が高いとき・夏にかくような汗の成分は、99%が水分なのだそう。それに対し、緊張したときにかく汗の成分はたんぱく質やミネラルを含みます。この汗は「緊張汗」と呼ばれ、ニオイを気にする方も多いのではないでしょうか。

手足が冷たくなる

緊張すると顔や身体が熱くなる方がいますが、反対に手足が冷たくなる方もいますよね。手足が冷えるのは、血の巡りが悪くなっているから。緊張しているときは、脳の動きが活発になります。そのため、脳に血液が集中して末端である手足に巡る血液が少なくなってしまいます。その結果、手や足が冷えてしまうというメカニズムです。

緊張して手足が冷えるのは誰でも起こる現象ですが、もともと冷え性の方は悪化しやすいので注意してくださいね。

頭が真っ白になり言葉が出ない・どもる

面接やプレゼンの前に、しっかり準備してきたのに上手く話せなかった!そんな経験はありませんか?人前に出た瞬間に頭が真っ白になって、言葉がスラスラと出なかったり「わ、わ、わたしは……」のようにどもってしまったりすることもあるでしょう。

一度「失敗した!」と思ってしまうと、その後も引きずって立て直すのが難しいですよね。人前で上手く話せなくなってしまう方は、一度つまずいても一旦深呼吸をして落ち着くようにしましょう。

目が泳いでしまう

親しい友人と話しているときは目を見て話せるのに、初対面や話慣れていない人の前では目が泳いでしまうことはありませんか?目が泳ぐのは、考え事をしながら話しているからだと言われています。自分では意識していなくても、相手から見たらキョロキョロして落ち着きがない人と思われてしまうことも。また、後ろめたい気持ち・隠し事をしているときも、人間は目が泳ぐ傾向があります。

ネガティブなイメージを持たれてしまうため、なるべく相手の目をしっかり見て話せるように意識してくださいね。

胃が痛くなる

何か嫌なことがあるときや仕事が忙しくストレスを感じているときには、胃が痛くなる方もいるでしょう。胃はストレスを感じるほど痛くなる繊細な臓器です。

胃は副交感神経によって動いていますが、ストレスにより交感神経が活発になると副交感神経の動きを抑制してしまうそう。そのため、胃が痛くなってしまいます。緊張感やストレスでよく胃が痛くなる方は、日常的に暖かい飲み物を飲んで胃の血流をよくすることを心がけてみてくださいね。

あがり症の原因は不安からくる緊張感

「あがる」という症状は、血液中のノルアドレナリンが上昇することで起こると言われています。ノルアドレナリンは不安を感じたり緊張したりするときに分泌され、交感神経を刺激します。交感神経は刺激されると心拍数が上がったり体温が上昇したりするため、汗が出る・心臓がバクバクするなどの症状が起こります。

「あがり症」自体は病気ではなく、誰にでも起こりうること。しかし、あがり症を治すことができたら、嬉しいですよね。

あがり症を克服する5つの治し方

ここまであがり症の主な特徴をご紹介しました。あなたは、いくつ当てはまりましたか?緊張や不安を感じると、いつものように上手く話せなくなりますよね。上手く話せなくなると、仕事や人間関係に支障をきたしてしまう可能性も。そうすると、余計不安になり悪循環です。

ここでは、あがり症を克服するための具体的な方法を5つご紹介します。ぜひ、実践してみてください!

①ストレッチや呼吸法で身体をリラックスさせる

不安や緊張を感じたら、ストレッチや深呼吸をして身体をリラックスさせましょう。おすすめの方法は、意識的にグッと力を入れて緩める「筋弛緩法」というものです。やり方は、10秒間力を入れて、15~20秒間力を緩めます。椅子に座った状態がベストですが、面接やプレゼンなど人前に出る前に立った状態でもできるカンタンな方法ですね!

筋弛緩法は、1930年代にアメリカで考案されたリラクゼーション法です。寝る前にベッドで横になってもできるので、安眠したい方もお試しください。

また、腹式呼吸も不安や緊張を感じたときに効果的です。お腹から空気をたっぷり吸うことにより、脳にたくさんの酸素を送ることができます。脳に十分な酸素が行きわたれば、頭がスッキリして緊張感が和らぎますよ。自分の話す内容にも集中できますね。

「緊張しているな」「不安を感じているな」と思ったら、筋弛緩法と深呼吸をしてみてくださいね。

②お腹に力を入れて発音する

緊張すると不安でいっぱいになり、なんだか気弱になってしまいますよね。それは、声にも表れます。ネガティブな感情に流されてしまうと、なんだか自信がなくなって話すことに集中できなくなり、自然と声も小さくなってしまいます。弱々しい話し方は、相手に自信がないように感じさせてしまうだけではなく、説得力も欠けてしまいます。

お腹に力を入れて、自信をもって会話をしてみましょう。

③自分の声・姿を録画して何度も練習する

人前で話すことに自信がなくあがってしまう方は、自分の話す姿を録画してみるとよいですよ。自分が話す姿を客観的に見ることで、改善点が浮かび上がります。緊張しているときに出るクセは、案外自分では気付かないもの。なかなか人に指摘してもらう機会もないため、緊張する場面を想定して録画された自分の声や姿を見てみましょう。

気になるクセや声の大きさ・無駄な動作をしていたら、何度も練習してみると自信にも繋がりますよ。

④話す内容に集中する

人前で話すときにあがってしまう方は、過度に「恐れ」ている可能性があります。変なことを言っていないか、人にどう見られているのかが気になってしまい、話に集中できていない場合があります。自分が話す内容・相手が話す内容に集中すれば、余計なことを考えなくてすみますね。そうすれば、自然と緊張感も薄れていくでしょう。 「自分が今どう見られているか」よりも、「会話に集中する」ことを意識するだけでも、心の余裕が生まれるでしょう。

⑤人とのコミュニケーションに慣れる

人と話すのが苦手でも、親しい友人とは緊張せずに会話ができる方も多いでしょう。場数を踏むというのも、あがり症を克服する大切なステップです。苦手意識があるからこそ、会話をするときに緊張してしまうのかもしれません。一歩踏み出すのには勇気がいりますが、より多くの人と積極的にコミュニケーションをとって慣れていきましょう。

気がつけば、あがり症を克服するだけでなく人との会話が好きになっているかもしれませんよ。

どうしても震えてしまう…あがり症に効くツボがある!

普段からストレッチや発声に気をつけていても、どうしても緊張してしまう場面はありますよね。会話をしながらストレッチなんて、なかなかできることではありません。人前で話しているときに、気軽に緊張感を和らげる方法。それは、「ツボ」を押すことです。ツボを押すなら、話しながらでもできますね!

ここでは、いくつもあるツボのなかで緊張や不安に効くものをご紹介します。

ストレスや目の疲れに効く「合谷(ごうこく)」

手の甲の、親指と人差し指の骨が交差する位置にあるツボ。全身にあるツボの中で、もっとも脳に刺激が伝わるツボだと言われています。肩こりやストレスにも効く「万能のツボ」と呼ばれており、忙しい現代人は覚えておきたいツボですね!

目の疲労にも効くそうなので、パソコン作業など目を使う仕事をしている方にもおすすめです。

緊張でドキドキしてしまうなら「神門(しんもん)」

東洋医学では心に関する効果があると言われているツボ、神門。不安感からドキドキと動悸がする・神経が高ぶっていると感じたら、神門を押してみましょう。神門は、手首の内側の小指の下にあります。心が落ち着かないとき以外には、便秘や不眠にも効くと言われています。

不安や緊張でドキドキしてしまう方や不眠に悩まされることが多い方は、覚えておきたいツボですね。

吐き気や食欲不振には「内関(ないかん)」

過度に緊張すると、吐き気をもよおすこともありますよね。日常的にストレスを感じている方は、食欲不振になることもあるでしょう。そんな方におすすめのツボが、内関です。乗り物酔いに効くツボとして有名ですが、吐き気全般に効くとされています。ストレスによる食欲不振にも効果があるとされており、日常的にストレスを感じている方は試してみてください。

内関は、手首のしわ部分に指を3本乗せたとき肘側にある指の辺り、親指側にあります。

「あがる」目的を探してあなたに合った治し方を探すことが近道

ここまで紹介したあがり症を克服する方法、確かに効果はありますが、実はすべて対処療法に過ぎません。

真にあがり症を克服するためには、あなたがなぜあがってしまうのか、その正体を突き止める必要があります。

あなたは人前であがってしまう原因を考える時、過去に失敗したトラウマを思い浮かべるのではないでしょうか。過去に失敗した経験から「人前で話すことが苦手だ」と思い込んでいる人が大半でしょう。これを心理学の用語で、「原因論」といいます。

しかし、実は過去に原因(トラウマ)があるからあがってしまうのではありません。本当はその逆で、あなたがあがってしまうのは「原因」のせいではなく、「目的」をもっているからです。

驚かれるかもしれませんが、あなたは無意識に“ある目的”をもって、その目的を達成しようと「あがり症」になっています。これを目的論といいます。

例えば、「人前で話して失敗した経験(原因)があるから、あがってしまう(結果)」というのは、目的論だと次のように説明されます。

「人前で話して失敗した経験(原因)があって、もう人前で話したくない(目的)から、あがってしまう(結果)」

あがり症になれば、「自分は人前で話すのが苦手なんだ」と思い込むことができます。そして、なるべくそういう機会を避けようとしますよね。また、上司からは「あの人はあがり症だから人前で話す仕事は任せないようにしよう」と結果的に「人前で話したくない」という目的を達成することができるわけです。

そしてこのようにあがり症の正体(=目的)がわかれば、目的を持たないようにするなど改善策がみえてきます。

ただし、人前であがってしまう目的というのは個人差があるため、ひとりで考えるのはなかなか難しいものです。

そこで、私が運営する教え方と伝え方の相談所では、あがり症になってしまう目的を探すお手伝いをしています。

マンツーマンであなたに色々と質問をさせていただき、真の目的が何なのか、そしてどうすればその目的を持たないようにすることができるのかをアドバイスさせていただきます。

あがり症の目的を突き止めることができれば、対処療法などは不要となり、真にあがり症を克服できるようになります。

あなたに合ったあがり症の克服方法を一緒に探しませんか?

【まとめ】あがり症の克服には目的論を前提とした治し方が効果的!

というわけで、この記事ではあがり症の特徴や、克服するための治し方を解説しました。あがり症を克服するには色々な方法があり、すでに試したという方もいるでしょう。

それでも克服できない!という方には、目的論を前提にした治し方が最も効果的です。自分の内面と向き合い、あなたに合った治し方であがり症を克服していきましょう。

この記事で紹介したあがり症の克服方法で治らない方は、マンツーマンで目的を探すことのできる「教え方と伝え方の相談所」の無料体験セッションを受けてみてください。ぜひ、一緒にあがり症を克服していきましょう。